契約

賃貸契約書で必ず確認すべき条項と特約の見方

賃貸借契約書は文量が多く、つい流し読みで署名してしまいがちです。しかし退去時の費用や中途解約のルールは、ほとんどがこの契約書で決まります。署名前に必ず確認したい条項と特約の見方を、国土交通省ガイドラインや民法の考え方とあわせて整理しました。

契約書と重要事項説明書はセットで確認する

賃貸の契約時には「賃貸借契約書」と「重要事項説明書」が交付されます。重要事項説明書は契約前に宅地建物取引士が説明する書面で、物件や契約条件の要点がまとめられています。契約書はそれを踏まえた両者の合意内容です。

両者で記載が食い違っていないか、説明と書面の内容が一致しているかを必ず照らし合わせましょう。疑問点は署名前に質問し、口頭での約束も書面に残してもらうのが鉄則です。署名・押印した後では「聞いていない」が通りにくくなります。

原状回復と特約は最重要チェックポイント

退去時のトラブルが最も多いのが原状回復です。民法では、通常の使用による損耗(通常損耗)や経年劣化は原状回復の対象外とされ、借主の故意・過失による損傷のみが借主負担と整理されています。これは2020年施行の改正民法でも明文化されました。

一方で、当事者が合意すれば「特約」で借主負担の範囲を上乗せできる場合があります。たとえばハウスクリーニング特約などです。ただし特約は、負担する内容・範囲が具体的に明示され、金額が妥当で、借主がその内容を理解・承諾していることなどが有効性の判断材料とされます。あいまいな特約や、通常損耗まで一律に借主へ負わせる内容は無効と判断されることもあるため、署名前に範囲と金額を確認しましょう。

中途解約・更新・違約金の条件

引っ越しの予定が変わることもあるため、中途解約の条件は事前に確認しておきましょう。一般的な普通借家契約では、退去の何カ月前までに通知が必要か(解約予告期間)が定められています。短期で解約した場合の違約金や、フリーレント分の返還義務が定められていることもあります。

更新時には更新料や更新事務手数料が発生する契約もあります。また「定期借家契約」の場合は原則として更新がなく、期間満了で契約が終了する点に注意が必要です。自分の契約が普通借家か定期借家かは、必ず確認しておきましょう。

連帯保証人・保証会社と極度額

連帯保証人は、借主と同じ責任を負い、未払い賃料などの債務を代わりに支払う義務があります。改正民法により、個人が連帯保証人になる場合は、保証する金額の上限である「極度額」を契約書に明記することが必要とされました。極度額の記載がない個人根保証は無効となるため、いくらまで保証する契約なのかを確認しましょう。

近年は保証会社の利用が一般的です。この場合は保証料(初回・更新時)の金額や、家賃滞納時の対応条件を確認します。保証人を立てるのか保証会社を使うのか、その費用がいくらかは、初期費用や毎月の負担に直結する重要なポイントです。

納得できる物件を選んでから契約に進む

契約書の条項は物件によって細かく異なります。だからこそ、契約前の段階で条件の合う物件を十分に比べ、納得した上で申し込みに進むことが、後悔しない契約への近道です。1つの物件に焦って決めるより、複数を見比べて検討する余裕を持ちたいところです。

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よくある質問

Q. 賃貸契約書で最初に確認すべき条項はどこですか?
A. 退去時の費用に直結する原状回復と特約が最重要です。通常損耗・経年劣化は原則貸主負担ですが、特約で借主負担が上乗せされる場合があるため、内容・範囲・金額が具体的に示されているかを署名前に確認しましょう。

Q. 特約はすべて有効なのですか?
A. いいえ。特約は、負担する内容・範囲が具体的に明示され、金額が妥当で、借主が理解・承諾していることなどが有効性の判断材料とされます。あいまいな内容や通常損耗まで一律に借主へ負わせる特約は、無効と判断されることもあります。

Q. 連帯保証人の極度額とは何ですか?
A. 個人が連帯保証人になる際に保証する金額の上限です。改正民法により契約書への明記が必要とされ、極度額の記載がない個人根保証は無効となります。いくらまで保証する契約かを必ず確認しましょう。

Q. 中途解約のときに気をつけることは?
A. 退去通知が必要な解約予告期間や、短期解約時の違約金の有無を確認します。また定期借家契約は原則更新がなく期間満了で終了するため、自分の契約が普通借家か定期借家かも確認しておきましょう。

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